戸建 vs マンション:「自由度の高さ」と「価格の落ちにくさ」を徹底比較
執筆者:松村保誠(宅建士・1級FP技能士・マンション管理士)
2026年5月21日

今回は家を買うなら「戸建とマンションのどちらがいいのか」ということについてお話させて頂きます。
これについては大体、みなさん既に自分の趣味嗜好などから決めていらっしゃると思いますが、予想だにしなかった見落としがあって、買ってからすぐに後悔することになるなんてことも、ないとは言えません。
そういったリスクを避ける意味でも、さらっとでも結構ですのでご確認頂ければと思います。
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実際、どちらがいいのか?
戸建とマンション、どちらがいいのかということについての結論は、ズバリあなた次第ということになります。
どちらもメリットとデメリットの数、質共に拮抗していて、一般論としてこちらという答えを出すのが正直ムリなのです。
ただし、ご自身で、価値観に照らして戸建とマンション、それぞれのメリット・デメリットを確認していけば「私は戸建派だな」とか「私はマンション派だな」とかいった判断はできるはずです。
以下、あなたにとっての正しい判断をして頂けるよう、それぞれのメリット・デメリットをなるべく漏れがないようお伝えしていきますので、しっかりとご確認下さい。
戸建のメリット

土地の資産価値
戸建の場合、物件全体に対する土地の資産価値割合が高く、また、土地は減価償却することがないので、その価値は半永久的に残ることになります。
近隣トラブルが起きにくい
マンションと違い、天井や床、壁などを隣人と共有しているわけではないので、その分、近隣トラブルは起こりにくくなります。
自由にリフォームが行える
マンションの場合、専有部分内と言えども、マンション全体のルールである管理規約や使用細則に反するようなリフォームを行うことはできませんが、戸建の場合、法令を順守するかぎり自分が好きなようにリフォームすることができます。
管理費・修繕積立金が不要
マンションの場合、区分所有者である限り、毎月、定額の管理費(主にマンションの共有部分を維持管理するための費用)と修繕積立金(マンション全体で行う将来における外壁の塗り替え等の大規模修繕工事に備えるための積立金)を管理組合に納付し続ける必要がありますが、戸建の場合、そういった定額の納付をする必要はありません。
駐車場代が無料
マンションの場合、駐車場を利用するためには利用料金の負担が必要になりますが、戸建の場合、当然、利用料金の負担は必要ありません。
建て替えが自由
マンションの場合、建物の建て替えをするためには、区分所有者の5分の4以上でかつ議決権の5分の4以上という大変、厳しい決議要件が必要となりますが、戸建の場合、思い立ったら、自分の意志だけで、いつでも建物の建て替えを行うことができます。
使用方法が自由
マンションの場合、その使用方法については管理規約や使用細則の制限を受けますが、戸建の場合、法令や社会規範に反しない限り、自分が好きなように使うことができます。
たとえば事務所や店舗としての使用も自由にできますし、ペットの飼育や、楽器の演奏なども近隣に迷惑をかけることがないよう配慮すれば何の制限もなく行うことができます。
屋外活動を楽しめる
戸建の場合、お庭がありますので、そこでガーデニングやバーベキューなどの屋外活動を楽しむことができます。
戸建のデメリット

維持修繕は全部、自己負担
戸建の場合、外壁の塗り替え費用等を含めて建物の維持修繕に必要な費用は全額、自己負担となります。
マンションと違って修繕積立金等の納付は必要ありませんが、その分を自分でプールしておく必要があるということです。
セキュリティの負担が大きい
マンションの場合、上層階であれば、玄関のカギをしっかりとしめておくだけでも、泥棒等に侵入されるリスクはかなり軽くなりますが、戸建の場合、侵入される可能性のある個所が多く、ほんのちょっと買い物に行くだけでも、家中のカギをしめて回らなければならず、セキュリティのための負担は非常に大きなものとなります。
階段移動の負担がある
戸建の場合、平屋でない限り、階段移動の負担があります。
もちろん、若いうちは階段の上り下りくらい何の支障もないと思いますが、年齢を重ね、足腰が弱くなってくると、その負担が耐えがたいほど大きく感じられることも十分、ありえます。
庭の手入れが必要となる
庭はガーデニングやバーベキューなどの屋外活動を楽しめるという、好ましい側面がある一方で、庭木の剪定が必要になったり、草刈りをしたりといった手間が増えるという、面倒な側面もあります。
そもそも屋外活動に興味のない方にとっては、面倒ばかりが増えるものということになってしまいます。
利便性が劣ることが多い
戸建はマンションに比べると駅から遠い郊外に立地していることが多いです。
駅へのアクセスに車やバスを利用しなければならないことも少なくありません。
つまり戸建は利便性の点でマンションに劣ることが多いということです。
境界トラブルが発生することが多い
戸建の場合、境界があいまいになってしまうことも多く、それを巡るトラブルも発生しがちです。
もちろんマンションであっても、その可能性がゼロなわけではありませんが、マンションの場合、境界トラブルは管理組合マターとなるので、個人での対応が必要となることはまずありません。
地域組織への参加を求められることがある
戸建の場合、自治会等の地域組織への参加を求められることがよくあります。
単に自治会員になるだけならよいのですが、会長等の役員職を押し付けられるようなことにでもなれば、ぶっちゃけ、かなり大変な話です。
ちなみに地域のお祭りが盛んな地域では、そちらへの参加も求められることがあるので、そういうものが苦手な方は十分、注意して下さい。
マンションのメリット

維持修繕費用の負担が小さい
マンションの場合、専有部分以外の維持修繕、たとえば外壁の塗り替えやマンション全体の玄関部分や廊下等の共用部分の修繕については、原則として管理組合がその費用負担で行ってくれます。
各区分所有者は自分の専有部分のリフォーム費用等を負担すれば良いだけです。
外回りの管理清掃をする必要がない
マンションの場合、専有部分の外側、つまり共用部分については管理組合がその維持管理を行うことになります。
管理組合がその業務を委託する管理会社やその協力業者などのプロがマンション全体の玄関や廊下、階段室、エレベーター、中庭、駐車場などの管理や清掃を行ってくれるため、区分所有者自身が、そういった面倒な業務に煩わされることはないのです。(自主管理の場合を除く)
セキュリティ対策がしっかりしている
マンションの場合、自室の玄関のカギをしめることさえ忘れなければ最低限のセキュリティ対策はできますが、それに加えてマンション全体の玄関部分で防犯カメラやオートロックが設置されていたり、管理人が駐在していてくれたりと、戸建に比べてセキュリティ対策が非常にしっかりとなされています。
利便性が高い
一般論としてマンションは駅近に立地していることが多く、利便性が高くなっています。
病院やスーパーなども徒歩圏内にあり、車を運転せずとも生活に支障がないため、終の棲家としては最適と言えます。
ワンフロアで生活できる
マンションの場合、戸建と違って、原則ワンフロアで生活できるため、階段の上り下りの負担がありません。
これもまた老後のことを考えれば非常に大きなメリットと言えるでしょう。
眺望と日当たりが良い
マンションの高層階であれば眺望と日当たりは戸建より圧倒的にいいことが多いです。
なお、この眺望と日当たりの良さは単に本人的に満足度が高いだけでなく、将来における売却価格にも大きく影響します。
特にその地域のシンボルになるようなもの、たとえば有名な山や花火などに対する眺望があると高確率で売却価格が高くなります。
建物性能が高い
マンションの場合、建物は原則、鉄筋コンクリート造か鉄骨鉄筋コンクリート造ということになりますので、耐震性等の建物性能は高くなります。
また気密性や断熱性も高いので光熱費も安くなる傾向にあります。
便利な施設や設備がある
最近のマンションでは、フィットネスジムやゲストルーム、ワーキングルームなどの利便施設を有するものもあります。
いずれも戸建で設けることは簡単ではないのでマンションならではメリットといって差し支えないでしょう。
賃貸がしやすい
マンションの場合、駅近という立地の良さから賃貸に出しても借り手がつきやすくなっています。
短期的に住居を移す必要があるけれど、できれば手放したくない場合などに生きてくる、大きな利点です。
マンションのデメリット

管理費や修繕積立金の負担が必要である
マンションの場合、毎月、定額の管理費や修繕積立金を納付しなければなりません。
なお、管理費や修繕積立金は管理組合の総会の議決を経て増額されることがあります。
さらに大規模修繕工事に際して積立金が不足するようであれば、一時金の拠出を求められることもあります。
近隣トラブルが発生しやすい
マンションの場合、階上とは天井を、階下とは床を、お隣とは壁を共有する形で居室部分が接することになるため、どうしても近隣トラブルが発生しやすくなります。
マンションの構造によってはスプーンをたった1本、落としただけでも階下に音が響き、クレームを受けるようなこともあります。
駐車場代がかかる
マンションの場合、駐車場を利用するには駐車場代の支払いが必要となります。
また、駐車場の数が少なく、かつ、順番待ちをしている方が複数いる場合、空きが出るまで、何年も待たないといけないことがあることも知っておいて下さい。
リフォームに制限がある
マンションの場合、自由にリフォームできるわけではなく、管理規約や使用細則のルールの範囲内でしかリフォームをすることができません。
たとえばフローリング工事をするに際して使用材料の等級が厳しく定められていたり、電気供給量の問題でIHクッキングヒーターへの変更ができなかったりすることがあります。
使用方法に制限がある
マンションの場合、その使用方法については管理規約や使用細則による制限があります。
使用用途については住居に限られていたり、ペットの飼育や楽器の演奏が制限されていたりといったことが、よくありますので購入を検討されるに際しては、そのあたりのことの確認も必要です。
管理組合活動が必要になる
マンションの場合、区分所有者になると自動的に管理組合に加入することになり、組合員として様々な活動に参加する必要が生じます。
役員にでもなれば、非常に多くの時間と労力を割かなければならなくなることもあります。
建て替えが難しい
マンションの場合、原則として区分所有者の5分の4以上で、かつ、議決権の5分の4以上の決議がないと建て替えを行うことができません。
また最終的に決議ができたとしても、戸建と違って工事が全て完了するまで何年もの間、仮住まいをしなければならなくなることも知っておいて下さい。
私の場合は・・・

ちなみに私の場合は、断然、戸建派でした。
もともと自分が粗雑な田舎者で、壁を接する隣近所に迷惑をかけていないかを気にしながら生活するのはムリがあると考えたからです。
しかし「戸建派でした」と過去形になっていることからも、おわかり頂けるとおり、最近では徐々にマンションでもいいかなと思うようになってきました。
たぶん、年齢を重ねたことによって、以前より、利便性が高いとか、生活上の手間が少ないとかいったことのプライオリティが高くなってきたせいだと思います。
このように自分の中の価値観もまた時間の経過と共に変化していくこともあると思いますので、そういった変化も見越しつつ、なるべく、ご自身にとって後悔のない選択をなさって下さい。
以上、今回は「戸建とマンションのどちらがいいのか」というテーマでお伝え致しました。
まとめ
- 戸建とマンション、どちらがいいのかは、あなたの価値観次第。それぞれのメリット・デメリットを知ったうえで自分にとって、より後悔の少ない方を選択する必要がある。
- また価値観は時間の経過によって変っていくものでもあるので、その変化をも予測しつつ、適切に判断する必要がある。
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執筆者:松村保誠
宅建士・1級FP技能士・マンション管理士
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