不動産売却の費用を完全解説|払うべき費用・払わなくていい費用を見極める
執筆者:松村保誠(宅建士・1級FP技能士・マンション管理士)
2026年6月26日

家を売ることが決まったとき、多くの人がまず気にするのは「いくらで売れるか」という売却価格です。しかし実際に手元に残るお金は、売却価格からさまざまな費用を差し引いた金額になります。
「思ったより手残りが少なかった」——これは不動産売却を経験した人からよく聞かれる言葉です。費用の種類が多く、しかも仲介手数料・税金・登記費用といった種類の異なる出費が重なるため、事前に全体像を把握しておかないと、資金計画が狂ってしまうことがあります。
かといって、「費用がかかるなら少しでも削ろう」と考えて、あれこれ節約しようとするのも考えものです。削ってはいけない費用を削ると、売却活動の質が落ちて結果的に損をするケースがあります。一方で、払わなくてよい費用に気づかずお金を使ってしまうケースも少なくありません。
大切なのは、かかる費用の全体像を正確に把握したうえで、必要な費用はきちんと使い、不要な費用は払わないという判断ができるようになることです。
この記事では、家を売る際に発生するすべての費用を種類別に整理し、それぞれの金額の目安や注意点をわかりやすく解説します。売却活動を始める前にぜひ一度、全体像を頭に入れておいてください。
まず費用の全体像を把握する

家を売る際にかかる費用は、大きく3つのカテゴリに分けて考えると整理しやすくなります。
① 必ず発生する費用
売主であれば誰でも必ず支払う費用です。金額が大きいものも含まれるため、最優先で把握しておく必要があります。
- 仲介手数料(不動産会社への報酬)
- 印紙税(売買契約書に貼る収入印紙)
- 登録免許税+司法書士費用(抵当権抹消登記など)
- 譲渡所得税(売却益が出た場合の税金)
② 状況によって発生する費用
すべての人に発生するわけではありませんが、該当する場合は事前に把握しておかないと資金計画が崩れる可能性があります。
- 住宅ローンの繰上返済手数料(残債がある場合)
- 測量費用(境界が不明確な土地の場合)
- 相続登記費用(相続した物件で名義変更が未了の場合)
- 引越し費用・仮住まいの費用(住み替えの場合)
- ハウスクリーニング費用
③ 基本的に払わなくてよい費用
不動産会社の担当者などから提案されることがありますが、費用を払っても回収できないケースがほとんどです。後の章で詳しく解説しますが、提案されても安易に応じないことが重要です。
- 売却前のリフォーム・リノベーション
- 設備の交換・修繕(軽微なものの場合)
- 不要なオプションサービス
費用の総額はどのくらいか
必ず発生する費用だけで見ると、おおよそ売却価格の4〜7%前後になるケースが多いです。たとえば3,000万円で売却した場合、120万〜210万円程度が費用として出ていくイメージです。
ただしこれは譲渡所得税が発生しないケースの目安です。売却益が大きい場合は税負担が加わるため、さらに手残りが減ることがあります。譲渡所得税については第2章で詳しく解説します。
費用の全体像を把握したところで、次章からそれぞれの費用を詳しく見ていきましょう。
必ず発生する費用

仲介手数料
仲介手数料は、不動産会社に売却活動を依頼した際に支払う報酬です。家を売る際にかかる費用の中で、最も金額が大きくなりやすい費用のひとつです。
上限額は法律で定められている
仲介手数料は宅地建物取引業法によって上限額が定められています。上限を超えて請求することは違法であり、ほとんどの不動産会社は以下の上限額をそのまま請求します。
【仲介手数料の上限額(税抜)】
| 売却価格 | 上限額の計算式 |
| 200万円以下の部分 | 売却価格 × 5% |
| 200万円超〜400万円以下の部分 | 売却価格 × 4% |
| 400万円超の部分 | 売却価格 × 3% |
売却価格が400万円を超える場合(一般的な住宅売却のほとんどがこれに該当します)は、計算を簡略化した以下の式が使えます。
仲介手数料の上限額=売却価格 × 3% + 6万円(+消費税)
【売却価格別・仲介手数料の目安(税込・上限)】
| 売却価格 | 仲介手数料(税込・上限) |
| 1,000万円 | 約39.6万円 |
| 2,000万円 | 約72.6万円 |
| 3,000万円 | 約105.6万円 |
| 4,000万円 | 約138.6万円 |
| 5,000万円 | 約171.6万円 |
値引き交渉よりも「全力を尽くしてもらうこと」を優先する
仲介手数料は法律上の上限額であり、交渉次第で減額してもらえる場合もあります。しかし、値引き交渉は基本的にお勧めしません。
理由はシンプルです。仲介手数料を値引きすると、担当者のモチベーションに影響が出る可能性があります。不動産売却において担当者が全力を尽くしてくれるかどうかは、売却価格や売却期間に直結します。数十万円の手数料を削減できたとしても、売却価格が数百万円下がってしまえば意味がありません。
正規の手数料を気持ちよく支払い、担当者に精一杯動いてもらうことがトータルで見て最良の結果につながりやすいと考えてください。
仲介手数料に対する正しい考え方の詳細についてはコチラ。
仲介手数料を値切ると損をする?不動産売却で手取りを最大化する本当の交渉術
印紙税
売買契約を締結する際には、契約書に収入印紙を貼付して納税する義務があります。これが印紙税です。売主・買主それぞれが1通ずつ契約書を保有するため、それぞれが自分の契約書分の印紙税を負担するのが一般的です。
【売却価格別・印紙税額】
| 売却価格 | 印紙税額(軽減税率適用後) |
| 1,000万円超〜5,000万円以下 | 1万円 |
| 5,000万円超〜1億円以下 | 3万円 |
| 1億円超〜5億円以下 | 6万円 |
※軽減税率は2027年3月31日までに作成された契約書に適用されます。金額は売却価格によって異なりますので、該当する区分を確認してください。
なお、売買契約を電子契約で締結した場合は、印紙税法上の「課税文書」に該当しないため、収入印紙が不要になります。近年は電子契約に対応している不動産会社も増えており、その場合は印紙税の負担がなくなります。
登録免許税・司法書士費用(抵当権抹消登記)
住宅ローンを利用して購入した物件には、金融機関の抵当権が設定されています。売却時にはこの抵当権を抹消する登記手続きが必要です。
かかる費用の内訳
- 登録免許税: 不動産1件につき1,000円(土地と建物で別々にカウントされるため、通常は2,000円)
- 司法書士への依頼費用: 1万〜2万円程度が相場
登記手続きは自分で行うことも制度上は可能ですが、手続きの複雑さや金融機関との調整を考えると、司法書士に依頼するのが現実的です。費用は比較的小さいため、費用対効果の面でも専門家への依頼が無難です。
なお、住宅ローンの残債がある場合は、売却代金で残債を一括返済したうえで抵当権を抹消する流れになります。残債の返済自体は費用ではありませんが、資金計画に大きく影響するため注意が必要です。
譲渡所得税(所得税・住民税)
譲渡所得税は、家を売って利益(譲渡所得)が出た場合にかかる税金です。金額が大きくなる可能性があり、かつ特例を活用すれば大幅に節税できる場合もあるため、最も注意が必要な費用の一つです。
譲渡所得の計算方法
まず、課税対象となる譲渡所得を以下の式で求めます。
譲渡所得 = 売却価格 - 取得費 - 譲渡費用
- 取得費: その家を購入したときの価格(建物は減価償却後の金額)。購入時の契約書が見つからない場合は売却価格の5%を概算取得費として使用できますが、実額の方が有利なケースがほとんどのため、書類を探す価値があります。
- 譲渡費用: 売却時にかかった仲介手数料・印紙税などの費用
税率は所有期間によって大きく異なる
譲渡所得税の税率は、売却した年の1月1日時点での所有期間が5年を超えるかどうかで大きく変わります。
| 所有期間 | 所得税 | 住民税 | 合計税率 |
| 5年以下(短期譲渡所得) | 30% | 9% | 39% |
| 5年超(長期譲渡所得) | 15% | 5% | 20% |
短期と長期では税率が約2倍異なります。売却タイミングを検討する際には、所有期間が5年を超えているかどうかを必ず確認してください。
3,000万円特別控除を忘れずに
マイホームを売却する場合、一定の要件を満たせば譲渡所得から最大3,000万円を控除できる特例があります。これが「3,000万円特別控除」です。
多くの一般的な住宅売却ではこの特例を適用することで譲渡所得税がゼロになるケースも多く、活用しない手はありません。適用要件や手続きは税務署や税理士に確認することをお勧めします。
譲渡損失が出た場合
売却価格が取得費を下回り、損失(譲渡損失)が出た場合は原則として譲渡所得税はかかりません。さらに一定の要件を満たせば、給与所得などほかの所得と損益通算できる特例もあります。
譲渡所得税の詳細についてはコチラ。
不動産を売ったら税金はいくら?譲渡所得税の仕組みと計算方法を徹底解説
状況によって発生する費用

住宅ローンの繰上返済手数料
住宅ローンが残っている物件を売却する場合、売却と同時にローンの残債を一括返済する必要があります。残債の返済自体は費用ではありませんが、一括返済に伴って金融機関に支払う繰上返済手数料が発生します。
手数料の金額は金融機関や契約内容によって異なります。
| 返済方法 | 手数料の目安 |
| 変動金利・ネット手続き | 無料〜数千円 |
| 固定金利期間中 | 数万円〜数十万円 |
固定金利期間中の繰上返済は手数料が高くなる傾向があります。事前に金融機関に確認しておくと安心です。
測量費用
隣地所有者との間で境界の認識について特に争いがなく、境界の明示ができる状態であれば、測量をしなくても売却できるのが通常です。ただし、境界について争いがあったり、境界標が見当たらないなど境界の明示ができない場合には、測量が必要になることがあります。
確定測量が必要になった場合の費用の目安は35万〜80万円程度で、隣地の数や現地の状況によって大きく変わります。また、隣地所有者との境界確認に時間がかかる場合があり、売却スケジュールに影響することもあるため、境界に不安がある場合は早めに確認しておくことをお勧めします。
なお、マンションの場合は土地の境界確定が不要なため、この費用は基本的に発生しません。
相続登記費用
相続した物件を売却する場合、名義変更(相続登記)が完了していないと売却できません。相続登記が未了の場合は、売却前に手続きを済ませる必要があります。
かかる費用の内訳
- 登録免許税: 固定資産税評価額 × 0.4%
- 司法書士への依頼費用: 5万〜15万円程度が相場
なお、2024年4月より相続登記が法律上義務化されました。相続を知った日から3年以内に登記を行わなかった場合、過料が科される可能性があります。売却の予定がある場合は早めに手続きを進めてください。
引越し費用・仮住まいの費用
家を売却する場合、引き渡しまでに退去する必要があります。新居への入居タイミングと売却の引き渡しタイミングがずれる場合は、仮住まいの費用が発生します。
- 引越し費用: 時期や荷物の量によって異なりますが、数万円〜数十万円程度
- 仮住まいの費用: 賃貸物件を借りる場合、敷金・礼金・家賃などが発生
引き渡しタイミングと新居への入居タイミングをうまく調整できれば仮住まいが不要になる場合もあります。不動産会社と相談しながらスケジュールを組むことをお勧めします。
ハウスクリーニング費用
ハウスクリーニングは、売却活動において内覧時の第一印象を左右する重要な費用です。よほど掃除が得意な方でない限り、プロに依頼することをお勧めします。素人の清掃とプロの仕上がりには明らかな差があり、内覧者の印象に直結します。
費用の目安は物件の広さや依頼範囲によって異なりますが、一般的な一戸建ての場合は10万〜30万円程度が相場です。
居住中の物件の場合は生活しながらの作業になるため、対応できる範囲に限界がありますが、水回り(キッチン・浴室・トイレ・洗面台)を中心にプロに依頼するだけでも印象は大きく変わります。
空き家になっている物件は家具や荷物がない分、隅々まで徹底的に作業しやすい環境です。期間が長い空き家ほど埃や湿気・臭いが蓄積しやすいため、しっかりと対応しておきましょう。
「払わなくてよい費用」を見極める

家を売る際には、不動産会社の担当者などからさまざまな追加サービスを提案されることがあります。しかし、こうしたプラスアルファの提案は、費用を払っても回収できないケースがほとんどです。提案されると断りにくく感じることもありますが、冷静に判断することが重要です。
売却前のリフォーム・リノベーション
売却前のリフォームは、費用を回収できないケースがほとんどです。これが「払わなくてよい費用」の代表格と言って良いでしょう。
なぜ回収できないのか
不動産の買主は、購入後に自分の好みに合わせてリフォームしたいと考えている場合がほとんどです。売主がリフォームしていても、買主にとってはありがた迷惑になることすらあります。売主がリフォームにかけた費用が売却価格に上乗せできるかというと、現実にはほとんど反映されません。
たとえば100万円かけてキッチンをリフォームしても、売却価格が100万円上がることはまずありません。むしろ買主からすれば「自分の好みでないキッチンが付いている物件」になってしまう可能性もあります。
不動産会社の担当者からリフォームを勧められたら
売却前のリフォームを積極的に勧めてくる担当者もいます。リフォーム会社への紹介料を得ることや、リフォームで売買価格が上がれば仲介手数料も増えるという利益目的があるケースも少なくありません。
リフォームを勧められた場合は、「費用対効果はどの程度見込めるか」を具体的に確認することをお勧めします。明確な根拠が示せない場合は、断って問題ありません。
例外:告知が必要な不具合がある場合
雨漏りやシロアリ被害など、売主が知っている不具合は買主への告知義務があります。こうした不具合をそのままにして売却した場合、引き渡し後にトラブルになるリスクがあります。告知義務のある不具合については、修繕するかどうかも含めて不動産会社と相談のうえ判断してください。
設備の交換・修繕
経年劣化した給湯器やエアコンなどの設備を、売却前に新品に交換する必要はありません。古い設備はそのままの状態で売却し、買主が必要に応じて交換するのが一般的です。
設備の状態は「付帯設備表」に正確に記載して買主に告知すれば足ります。「古いから交換しておいた方が売れやすい」という提案も、リフォームと同様に費用対効果が見込めないケースがほとんどです。
不要なオプションサービス
不動産会社から広告や販売促進に関するオプションサービスを提案されることがあります。追加費用を払えば販売活動を強化できると説明されますが、標準的な販売活動の範囲で十分なケースがほとんどです。
仲介手数料には売却活動にかかる費用が含まれています。正規の仲介手数料を支払っているにもかかわらず、さらに追加費用を求められる場合は、その必要性をしっかり確認してください。
「提案されたら一度立ち止まる」という心構え
売却活動中にプラスアルファの提案を受けたときは、すぐに応じるのではなく一度立ち止まって考えることが重要です。
「これをやれば高く売れる」「やっておいた方が安心」という言葉は耳に入りやすいものですが、追加の費用を払って結果が改善するケースは多くありません。基本的に、提案されたことをすべてやる必要はないという姿勢を持っておくことが、手取り額を守るうえで大切です。
費用を差し引いた「手取り額」の計算方法

家を売って実際に手元に残るお金は、売却価格からすべての費用を差し引いた金額です。ここでは具体的な計算例を使って、手取り額のイメージをつかんでいただきます。
計算の基本式
手取り額 = 売却価格 - 住宅ローン残債 - 諸費用合計
計算例:3,000万円で売却した場合
以下の条件で計算してみます。
- 売却価格:3,000万円
- 住宅ローン残債:1,000万円
- 所有期間:5年超
- 購入価格:3,500万円(譲渡損失が出るため譲渡所得税はなし)
- 繰上返済手数料:なし(ネット手続きで無料)
- 測量・相続登記:不要
| 費用の種類 | 金額 |
| 仲介手数料(税込) | 約105.6万円 |
| 印紙税 | 1万円 |
| 抵当権抹消登記・司法書士費用 | 約2万円 |
| 譲渡所得税 | 0円(譲渡損失のため) |
| ハウスクリーニング | 約15万円 |
| 引越し費用 | 約15万円 |
| 諸費用合計 | 約138.6万円 |
手取り額 = 3,000万円 - 1,000万円(残債)- 138.6万円(諸費用)= 約1,861万円
譲渡所得税が発生するケース
購入時より高く売れた場合は譲渡所得税が発生し、手取り額が大きく変わります。
以下の条件で計算してみます。
- 売却価格:3,000万円
- 購入価格:2,000万円(取得費として使用)
- 譲渡費用:約107万円(仲介手数料+印紙税)
- 所有期間:5年超(長期譲渡所得・税率20%)
- 3,000万円特別控除:適用あり
譲渡所得の計算:
3,000万円 - 2,000万円 - 107万円 = 893万円
3,000万円特別控除適用後:
893万円 - 3,000万円 = 0円以下 → 譲渡所得税は0円
このように、マイホームの売却では3,000万円特別控除を適用することで、購入時より高く売れた場合でも譲渡所得税がかからないケースが多くあります。特別控除の適用要件を事前に確認しておくことが重要です。
手取り額チェックリスト
売却前に以下の項目を整理しておくと、手取り額の見通しが立てやすくなります。
| 確認項目 | 自分のケース |
| 売却予定価格 | 円 |
| 住宅ローン残債 | 円 |
| 仲介手数料(売却価格×3%+6万円+消費税) | 円 |
| 印紙税 | 円 |
| 抵当権抹消登記・司法書士費用 | 円 |
| 譲渡所得税(3,000万円特別控除の適用可否を確認) | 円 |
| ハウスクリーニング費用 | 円 |
| 引越し費用・仮住まい費用 | 円 |
| その他(測量・相続登記など) | 円 |
| 手取り額合計 | 円 |
費用を抑えるために知っておきたいこと

ここまで解説してきた内容を踏まえ、手取り額を最大化するために押さえておきたいポイントを整理します。
税金の特例を漏れなく活用する
費用の中で最も金額が大きくなりうるのが譲渡所得税です。しかし、マイホームの売却には税負担を大幅に軽減できる特例が用意されています。知らずに申告しないと、払わなくてよい税金を払ってしまうことになりかねません。
主な特例
3,000万円特別控除
マイホームを売却した場合、譲渡所得から最大3,000万円を控除できます。多くのケースでこの特例を適用することで譲渡所得税がゼロになります。
所有期間10年超の軽減税率
所有期間が10年を超えるマイホームを売却した場合、通常20%の税率がさらに軽減されます。譲渡所得のうち6,000万円以下の部分については税率が14.21%になります。
譲渡損失の損益通算
売却価格が取得費を下回り損失が出た場合、さらに一定の要件を満たせば給与所得などほかの所得と損益通算できる特例があります。
これらの特例は確定申告によって適用を受ける必要があります。譲渡所得税がゼロになる場合でも、特例の適用を受けるためには確定申告が必要です。申告を忘れると特例が適用されず、思わぬ税負担が生じる可能性があるため注意してください。適用要件や手続きの詳細は、税務署または税理士に相談することをお勧めします。
電子契約を活用して印紙税をゼロにする
売買契約を電子契約で締結した場合、印紙税がかかりません。金額としては小さいですが、不動産会社が電子契約に対応しているかどうか事前に確認しておく価値はあります。
住宅ローンの繰上返済手数料を確認する
金融機関によっては繰上返済手数料が無料のところもあります。固定金利期間中は手数料が高くなる傾向があるため、売却のタイミングを検討する際に確認しておきましょう。
不要な提案には応じない
第4章で詳しく解説しましたが、売却活動中に受けるプラスアルファの提案には慎重に対応することが重要です。
リフォーム・設備交換・オプションサービスなど、追加費用を伴う提案を受けた際には、「本当に必要か」「費用を回収できる根拠はあるか」 を必ず確認してください。明確な根拠が示されない場合は断って問題ありません。
売却活動において本当に重要なのは、信頼できる担当者に適切な費用を払い、売却活動に全力を尽くしてもらうことです。余計な費用を積み重ねることではありません。
まとめ:必要な費用はきちんと使い、不要な費用は払わない

家を売る際にかかる費用を改めて整理すると、以下のようになります。
必ず発生する費用としては、仲介手数料・印紙税・抵当権抹消登記費用・譲渡所得税があります。これらは避けられない費用ですので、事前にしっかり把握したうえで資金計画に組み込んでおくことが重要です。
状況によって発生する費用としては、住宅ローンの繰上返済手数料・測量費用・相続登記費用・引越し費用・仮住まい費用・ハウスクリーニング費用があります。自分のケースに該当するものを確認し、漏れなく資金計画に含めておきましょう。
払わなくてよい費用の代表格は売却前のリフォーム費用です。費用をかけても売却価格に反映されないケースがほとんどです。設備の交換や不要なオプションサービスも同様です。担当者から提案されても、安易に応じる必要はありません。
手取り額を最大化するうえで最も大切なのは、費用の全体像を正確に把握したうえで、必要な費用と不要な費用を見極めることです。
仲介手数料は値引き交渉をするよりも、正規の手数料を気持ちよく払って担当者に全力を尽くしてもらう方が、トータルで良い結果につながりやすいです。一方で、リフォームや各種オプションサービスなど、プラスアルファの提案には慎重に対応することが重要です。
税金については、3,000万円特別控除をはじめとする特例を漏れなく活用することで、大幅に税負担を軽減できる場合があります。確定申告の手続きを忘れずに行ってください。
家の売却は人生の中でも大きな取引です。費用の全体像をしっかり把握し、冷静な判断ができる状態で売却活動に臨んでください。
執筆者:松村保誠
宅建士・1級FP技能士・マンション管理士
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